中古時計の選び方

時計ネタ

廃盤で欲しい時計があるんだけど中古の腕時計って大丈夫なの?

いのえー
いのえー

中古時計を扱って12年!現役の時計バイヤーである私が
買い付けの際に気を付けているチェックポイントをお教えします!

今回は、中古時計の選び方というテーマで、中古の時計を購入する際に見るべきポイントについて解説します。

結構長めの記事です。YouTube動画も用意しているのでそちらもぜひ♪

中古の腕時計入門【プロが教える状態の見極めかた】

中古品の時計を購入する際には、
・偽物なのではないか?
・状態が悪いのではないか?
という不安がありますよね。

偽物なのではないか?という不安については、こちらの記事で詳しく解説しています。

では、この記事では、もう一つの不安要素である「状態」について
詳しく丁寧に解説します!

中古時計のチェックポイント

私が中古の腕時計を仕入れる際に見ているポイントは以下の9つ。

中古時計のチェックポイント
  • 日差
  • ケースやブレスの傷
  • 革ベルトの状態
  • 風防
  • リューズの締め込み
  • 針やインデックスの腐食
  • 文字盤の日焼け
  • 腕周り
  • 付属品


それぞれの項目をチェックしたうえで、状態の割りに値段はどうかだとか、
そもそもその状態は許容できるものか、などから総合的に判断することになります。
項目ごとに順番に解説していきます!

中古時計のチェックポイント①日差

まずは日差について。

日差とは?
1日あたり、時計がどれだけズレるか示したもの。

ショップでは日差が平置きで2秒、みたいな感じで記載されます。

では、日差何秒までならいいんでしょうか?
日差が1秒でもあると、時計としては失格だ!という見方もありますが
1日は24時間で86,400秒もあります。そのうちの1秒や2秒なんて、もう誤差です。

クロノメーター規格のクリアの基準値が日差-4秒から+6秒までです。

クロノメーター規格とは?
「精度がいいですよ~」というお墨付き。
世界の名だたるブランドが、クロノメーター規格をパスして、
「ウチの時計は精度が良いです!」ということをアピールしています。

ちなみにマイナス側が若干厳しめなのは、時計は遅れるより早まるほうが(まだ)いいからですね。

ただ、メーカーが公表している日差は、自動車のカタログ燃費みたいなもので、
時計に一切のストレスを加えないような状況下で計測されていることが多いです。

実際使ってみたら日差が5秒あったとしても、そんなもんです。
メーカーが誤魔化しているわけではなく、時計が置かれる状況は人それぞれ。
激しく動く人も居れば、常に手を挙げている人、逆立ちばかりしている人もいるかもしれません。

中古時計でも、例えば日差10秒と記載があっても、それだけで確実に悪い状況とは言えないですし、
日差が平置きで2秒と記載があっても、着けていたら日差10秒なんてザラなので、
個人的にはあんまり気にしません。

日差に関してはこの程度の認識でOKです。
気になるようであれば、オーバーホール前提で、オーバーホール代を足してみても納得の行く価格であれば買い、
という判断でいいでしょう。

中古時計のチェックポイント②ケースやブレスの傷

次に、ケースやブレスの傷について。
時計は使っていれば傷付きます。明らかにガツンとぶつけた覚えがなくても
気づかぬうちに、擦れたような小傷が付いているものです。

今検討している中古時計に傷がついているとして、
それがライトポリッシュで取れるかどうかが重要なポイントです。

ライトポリッシュとは?
外装を軽く研磨すること。小傷は研磨して削り取ればピカピカになります。
あえて、”ライト”ポリッシュと言っているのは理由があり、それは後ほど。

普通に使っていて、机にこすれるだとか、その程度の小傷は、
本当にピカピカになるので、ほとんど気にしなくてOKです。

ただし、明らかにガンとぶつけてついたような「打ち傷」については、
ライトポリッシュでは消えない可能性が高いので、
その傷の度合いとが許容でき、さらに価格が相応に安ければ買う、という判断となります。

打ち傷も、その傷の深さに合わせてポリッシュすれば消せる場合があります。
しかし、それをせず、あえてライトポリッシュで留めるのは
ポリッシュしすぎるとケースが痩せるからです。

中古時計のケース痩せ

ポリッシュしすぎによるケース痩せも、中古の時計の状態を見極めるのには重要なポイントです。

中古時計のケース痩せのチェックポイント
  • ケースの角ばっているべき部分が丸みを帯びている
  • 左右対称であるべきところがよく見るとズレている
  • ロゴなどの刻印が薄れている

ケース痩せに関しては、直したくても直せません。
ケース交換してしまえばいいのですが現実的ではないですよね。

打ち傷と同様で、ケースのやせ具合が許容できるなら、相応に安ければ買うという判断となりますが
私は、明らかにケース痩せしている個体にはどれだけ安くても手を出さないようにしています。

ノンポリッシュの価値

あとはノンポリッシュに価値を見出すコレクターのかたも多いです。
個人的にはノンポリッシュで小傷だらけの個体より、
使用感を感じない程度のライトポリッシュ済の個体が好きです。

いのえー
いのえー

バッグの中古品と違って、時計の中古品はライトポリッシュすること使用感をほとんど消せるため、心理的にも気持ちよく使えますよ!

中古時計のチェックポイント③革ベルト

さて、次は革ベルトについて。
皮ベルトは金属のブレスと違って、黒ずみやベルトの通し穴の劣化など、使用感がわかる部分ではあります。
もちろんライトポリッシュも出来ません。

ただ、抜本的な解決策があって、使用感のある革ベルトは新品に買い替えればいいんですね。
最高に気持ちよく使えます!

革ベルトの値段ってどれくらい?
純正の皮ベルトで2万円ほど。クロコ素材でもせいぜい5万ほどでしょう。
そして、お勧めは社外の革ベルト。数千円から手に入ります。

革ベルトに関しては、よほどケースの形状が特殊なものでない限りは、幅があえば何でも付きます。
純正っぽいカラーを選んでもよし、純正にはないコダワリのカラーを選んでもよしで、社外ベルトは結構オススメです。

時計の皮ベルト交換については、サイズのはかり方から、取り付けまで、
こちらの記事で実際に私の時計のベルト交換をしながら解説していますので、興味のある方は、見てみてください。

そんなわけで革ベルトの状態に関しては、そんなに気にせず、中古で付属してきた純正ベルトは温存しておいて、
ご自分の好きな社外ベルトに付け替えることを前提で購入するのがいいですね。

ただ1点だけ、革ベルト仕様の時計を中古で買うときの重要なポイントがあります。
それが「純正バックルかどうか」です。

純正バックルの重要性

革ベルトの時計を中古で買う際に、バックルが純正かどうかは、かなり重要です。

皮ベルトは消耗品ですから、汚くなったら、社外ベルトでも純正ベルトでも交換すればいいんですが
バックルさえ純正品であれば、純正ベルトを付ければ、いつでも元の状態に戻せますよね。

逆にバックルが純正ではなく、社外ベルトに付属してくるような社外のバックルである場合は、
それはもう、価値的にはケースだけの状態の時計と変わらないと考えるべきです。

まとめると、革ベルト自体の状態は、気にしなくてOK!なぜなら新品に換えればいいから。
バックルは重要!純正かどうか必ずチェックすべし。
バックルが社外品の場合は、相当安ければ。といった感じです。

中古時計のチェックポイント④風防

次に、風防の状態について。

風防とは?
時計のガラスのこと。正確にはプラスチック風防のモデルもある。ガラスにも2種類あって
ミネラルクリスタルガラスの風防と、サファイアクリスタルガラスの風防。
サファイアクリスタルの方が傷つきにくい。高い時計の風防は、ほぼサファイアクリスタル。

風防に傷があると、ケースやブレスの傷以上に目につきます。
おそらく気になって気になって仕方が無くなるレベルです。
時間を確認するたびに目に入りますからね。

表面の傷だけでなく、エッジの欠けも要チェックです。

まず念頭に置いておいてほしいのは風防交換は結構高くつくということです。
ケースの傷のように磨いて取るものではなく、交換となるので部品代がかかります。

風防は傷や欠け以外に、もう一つ見落としがちなポイントがあります。
それが、コーティングの剥がれです。

無反射コーティングの剥がれをチェック!

風防の状態に関して見落としがちなのがコーティングの状態です。
ブライトリングやIWCなど、ブランドやモデルによりますが、風防にコーティングが施されている場合があります。
以下は、ブライトリングの無反射コーティングの例です。


こんな感じで、ウチの電気は白色なんですが、風防ではブルーに見えますよね。
このように光にあててみると分かりやすいです。


このように無反射コーティングが施されているわけなんですが
これが擦れたりすることでコーティングが一部分だけ、はがれている場合があります。

無反射コーティングも直そうと思えば基本的には風防交換となるので結構費用が掛かります。
コーティングがはがれている分、相応に安いのであれば買い、みたい判断ですね。

中古時計のチェックポイント⑤リューズの締め込み

次はリューズの締め込みについて。
ねじ込み式のリューズの時計をお持ちの方は、ぜひチェックしてみてほしいのが、リューズの掛かり具合です。
ねじ込み式リューズのネジ山は削れてきます。使用に応じて、あるいは無理にねじ込んで
ネジ山をなめてしまう場合もあります。

最悪の場合はリューズがねじ込めずに常に開いた状態になってしまうのですが
それはもう目に見えて分かるわけですからジャンク品としての価格ですよね

タチの悪いのが、ギリギリねじ込みできている状態のもので、
リューズが締まっている状態から半周も回さずにねじ込みが解けたりします。

このような状態のものは防水性能も低下している恐れがあり、リューズ交換が必要です。
原因がケース側のネジ溝にある場合は、ケースの交換か加工まで必要になります。
どちらにせよ結構高くつくので、リューズの締め込み具合はどうか?必ずチェックします。

中古時計のチェックポイント⑥針の腐食

次は針やインデックス、文字盤の腐食について。
実店舗で購入する場合は、ぜひルーペでくまなくチェックすることをオススメします。
腐食した部分の独特のボコボコ感は補修するにしても、綺麗に直すのは難しいですし、そもそも
色塗りなどの補修は改造品になってしまうので、純正にこだわるならパーツ交換となりますよね。

針は単体で出ても、インデックスや文字盤の腐食は、文字盤丸ごと交換になることが多いので、結構な出費になります。
腐食が許せるレベルなものかどうかにもよりますが、個人的には安くても腐食が見られるものには手を出しません。

中古時計のチェックポイント⑦文字盤の日焼け

続いて、文字盤の日焼けについて。
基本的に、全体が焼けている場合が多いので、同じモデルの焼けていない時計と見比べないことには、
なかなか気づかないこともあります。

チェック方法としては、カレンダー表示がある時計ならカレンダーを回してみることです。
その時計のそれまでの保管状況にもよりますが特定の日だけ焼けていることもあったりして、
日付を回すと全然焼けていない日が出てきて、焼けた文字盤とのギャップがスゴイねっていう感じで、判明します。
文字盤の日焼けに関しては、それが味となっている場合もあるので、
なんとも言えないところではありますが、気になるようであれば避けるのが無難ですよね。

中古時計のチェックポイント⑧腕周り

次に腕まわりについて。
ブレスベルトの場合、余りのコマがあるかどうかです。

ジーパンの裾上げと同じで、腕時計の腕周りも新品を購入したオーナーに合わせて調整されます。

ブレスベルトの場合はコマを外して調整するわけですが、外したコマが付いていない中古時計は結構多いです。
お店では、「腕周り16.5cm」みたいな感じで表記があります。

自分の腕周りは、巻き尺を巻いて測るか、
細長く切った紙を巻き付けて印をつけて、その紙を定規で測ってもいいですね。

狙っている時計が自分の腕周り以上のサイズがあれば、ひとまず安心です。

逆に、その時計が自分の腕まわりより小さくて、付属のコマもなければ、
購入しても装着することはできないわけですが、
メーカーからもコマ単体で部品が出たり、ヤフオクなんかにコマだけ出品されていたりもするので、
サイズが小さいからと諦めるのはもったいないですね。

自分で工具を揃えて、コマも手配してコマのつけ外しくらいが出来ると、中古時計を選ぶ幅が広がります。

こんな感じで、小さい物を大きくしていく分には、コマさえ手に入ればどうにかなるのですが
一応注意しておきたいのは、その逆パターンです。

小さくしていくには限界がある

これは新品中古関係なく、モデルによって外せるコマの数が限られているので、
外せるコマを全部のコマを外してもそれ以上小さくなりません、ということがあります。
なので細腕の方は、何センチまで縮められるか?ということもチェックしておくと安心です。

調整しようがない場合がある

昔の金無垢の時計なんかは、ネジでコマを外すのではなく切断してサイズ調整をするものがあります。
切断した余りの部分も付属してあれば、ロウ付けすることでどうにか延ばすことも可能ではありますが
余計な費用が掛かってしまいますし、ロウ付けした部分がスムーズに曲がらなくなることがあります。

あとはラバーベルトなんかに多いのが、
裏側に切り取り線なんかがあって、腕周りのサイズに合わせて切ってしまうようなものです。
もちろん切ってしまったものは繋がりませんので、入らない場合は新たにラバーベルトを買い直すことになります。

中古時計のチェックポイント⑨付属品

最後に付属品について。
もちろんこれらはあるに越したことないのですが、箱や保証書を腕に巻くわけではないので、
こういった付属品が無い分、安いのであれば、本体のみの状態でもいいと思っています。

メーカーのお墨付きが欲しければ、メーカーのオーバーホール(見積もりだけでも)に出せばいいですね。
ただ、メーカーメンテナンスは高いので、個人的には、こんな感じで保証書を兼ねる場合か
どうしてもパーツが手に入らない場合にしか利用しません。
オーバーホールを安心して安く済ませる方法はコチラの記事で解説しています。

まとめ

超スーパーロング記事になりました。ここまでお読み頂きありがとうございます。

状態のチェックポイントは沢山あるので、どこまでなら許せるのか?明確に決めておくと
安物買いの銭失いにならずに済みます。私はだいぶ失って今があります(笑)

同じ内容を語った、超スーパーロング動画もありますので合わせてどうぞ。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

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最後にご紹介するのはウォッチカンパニーさんです。
時計雑誌「パワーウォッチ」などでご存知の方も多いでしょう。
中古時計販売店からの依頼も請け負っている
大規模な修理業者さんです。
もちろん個人でも見積もり依頼できます。

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